1960年、鉄道友の会が「ブルーリボン賞」に続くかたちで鉄道車両に対し設定したのが『ローレル賞』である。この記事では鉄道友の会が設定した「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」について紹介・解説する。
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※この記事は「2020年鉄道友の会ブルーリボン賞・ローレル賞」関連記事の補足・解説記事として使用する予定の記事です。該当する記事については今後情報が入り次第記事化する予定です。

【ブルーリボン賞:元は『SE』のために設定された】
「ブルーリボン賞」は1958年に制定された鉄道車両に対する賞で、第1回受賞車両である小田急3000形「SE」以外は「鉄道友の会」会員の投票によって選出されている。
(ちなみに、小田急3000形「SE」は当時の狭軌最高速度を叩き出したことなどから「ブルーリボン賞の制度創設に貢献した車両」として鉄道友の会理事会が受賞を認定した)

【ローレル賞:元は「通勤型車両」のための賞だった】 
「ローレル賞」は、ブルーリボン賞受賞車両が各社の看板となる「特急型」車両に偏る傾向にあり、「技術面・先進性」で評価されるべき車両を評価するために創設された。そのため、初期の受賞車両は特急型よりもあまり目立たない「通勤型・近郊型」に集中していた。

現在では「ブルーリボン賞」の受賞候補となる車両から数車種を選出するかたちで「ローレル賞」が授与される。


【特筆摺べき『ブルーリボン賞』『ローレル賞』受賞車両】
[東海道新幹線:各車両]
・ブルーリボン賞:0系・500系・N700系
・ローレル賞:100系・300系・ 700系
世界初の高速鉄道「SHINKANSEN」こと「東海道新幹線」、この線路を走った営業用車両はすべて「ブルーリボン賞・ローレル賞」のいずれかを受賞している。
(ローレル賞受賞車両については、いずれも別の特急型車両が「ブルーリボン賞」を受賞しているため)
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JR西日本・JR東海が開発した700系、JR西日本では16両編成とともに「RailStar」として8両編成も導入した。2020年3月に東海地区からは姿を消すことが決まっている。

[小田急電鉄:「EXE」以外の『小田急ロマンスカー』]
・ブルーリボン賞:SE・NSE・LSE・HiSE・RSE・VSE・MSE・GSE
小田急電鉄の特急型電車「ロマンスカー」は、ブルーリボン賞の常連として知られ、「小田急ロマンスカー」がノミネートされた年は必ずと言っていいほどに『ブルーリボン賞』を受賞している。
(「EXE」も一般投票では最多得票を得ていたが、集計結果が「該当なし」票が上回ったとしてこの年のブルーリボン賞は選定されなかった。ただし、ローレル賞はJR北海道の「731系(JR北海道初の本格的な通勤型電車で、同時開発されたキハ201系と協調運転を行うことができる)」が受賞している。
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小田急電鉄「ロマンスカー」、鉄道ファンの評価が低かったと言われている「EXE」だが、分割併合機構の搭載、一般型車両と同じ規格で作られたことによる定員増加などから「通勤・観光」2つの利用目的に対応した列車として「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞している。

[阪急2000系:現役最古の受賞車両]
・ローレル賞:2000系・2300系
・ブルーリボン賞:6300系
ローレル賞の制度は1961年に制定され、2020年で制定60周年を迎える。記念すべき第1回の受賞車両は「京阪神急行電鉄2000系・2300系」、この2形式のうち「2000系」の方は「ローレル賞」の創設60周年を迎えた2020年現在も『現役』で走っている。
ちなみに、ブルーリボン賞受賞車両でも「旅客を乗せて営業運転を行なっている」現役最古の受賞車両も阪急電鉄で現役である。(受賞車両で現役最古の車両(貨物用になっているものを含む)はEF66形電気機関車で、国鉄継承車で現役最後の1両である「EF66-27」が該当している)
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阪急2000系(現在の能勢電鉄1700系)と6300系。
その中でも「1734」と「1784」、「1737」の3両は1960年製でこのグループ最古参の車両である。
能勢電鉄1754編成の「1734」号は登場当時「2000」を名乗っており「Wikipediaの阪急2000系」のページにはこの車両につけられていた「ローレル賞記念プレート」の写真が掲載されている。
6300系は嵐山線用の3編成と観光特急「京とれいん」用の1編成が現役、仮に「EF66-27」が引退した場合は「ブルーリボン賞・ローレル賞」現役最古参(他社譲渡されていない・譲渡車でも同一グループ所属の場合)がともに「アルナ製・阪急車両」という状態になる。(ちなみに、ブルーリボン賞受賞車両で現役最古参(グループ外譲渡車も含む場合)は西武5000系→富山地方鉄道16010形となる)

[名鉄6000系:通勤型電車が初めてブルーリボン賞を受賞]
・ブルーリボン賞:7000系・キハ8000系・6000系・8800系
・ローレル賞:モ600形・100系・モ800形・2000系
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阪急6300系は「両開きドアを採用した初のブルーリボン賞受賞車両」であるのに対し純粋な『通勤型』車両では名古屋鉄道6000系が初受賞となった。同形式は従来の2ドア車両に代わり「通勤通学」に向いた3ドア車両として設計され、今の名鉄車両の基礎を作り上げた。名鉄の「ローレル賞」受賞車両には路面電車規格の車両も含まれており、このうちモ800形は路面電車区間の廃止後に豊橋鉄道・福井鉄道に譲渡されている(現在は製造された3両すべてが豊橋鉄道に在籍)。